個人化とIoP -高齢者・障がい者・低所得者等への暖かい配慮-

インターネット社会 テレワーク

IoP、はじめて見た方が多いのではないでしょうか。Internet of People の頭文字からで、世界ではいろいろな意味でこの言葉が使われていますが、ここでは、IoT Internet of Things の対として『人々とインターネットの接続』の意味で使いたいと思います。

IoTはモノのインターネットと言われ、あらゆるモノがインターネットと接続され、リアルタイムで情報を取り、共有する仕組みです。インターネット社会はあらゆるものが『データ(情報)』として、再定義されます。モノは、貨幣価値で評価されもしますが、インターネットの現代は、データとして評価され、データとして存在します。

インターネットの社会では、人(ワーカー・生活者などそれぞれ一人ひとりをイメージしてください)、すべての人がインターネットに接続されている必要があります。インターネット側から見れば、人もモノも同じで、データとして存在しています。インターネット社会を実現するには、IoTだけではなく、IoP(人のインターネット、人がインターネットに接続されている状態)も同時に必要です。

IoPは、こうした言葉は使われませんでしたが、コロナ禍で注目されました。給付金の申請・給付やワクチン接種予約の際の不具合、そしてワクチンパスポート構想などで、浮かび上がった課題はIoPでした。オンライン授業などでも同じ問題がありました。インターネットに接続できない児童・生徒・学生が多くいました。IoPの実現は喫緊の課題です。

1点注意したい点は、IoPはインターネットと本人が確実に接続されている必要があります。現時点ではインターネットとスマホ等はデバイスとして接続されますが、本人との接続は本人認証がデバイスにアクセスできるパスワード等で判定しているために『なりすまし』が可能です。ですから完全にIoPが実現しているとは言えないのです。IoPとは本人と確実に繋がってはじめて実現できるのです。そのためには顔認証や虹彩認証などの生体認証が必要です。

コロナ問題や教育問題等々を個別問題として捉えるのではなく、IoPの実現の課題として捉えるべきだと思います。IoPが実現できれば、迎える総選挙なども密に避け感染を心配せずに自宅から投票できるはずです。さらには、電子政府の実現、遠隔医療などにも展開されていきます。

今後、IoPはどのように推進し解決されるか我が国のDX化推進のなかで大きな課題となるはずです。現状の解としては、スマホをIoPのインターフェイスとするのが現実的ですが、高齢者・障がい者・低所得者等のデジタルデバイド層への暖かい配慮が求められます。

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