ワーカーの新しい姿 会社員とフリーランス、経営者の区別がなくなる

会社員、すなわち雇用されるワーカーと、雇用されずに働くフリーランスワーカー、そして会社を経営する経営者が、これまでの資本主義社会にはいる。

情報革命(第4次産業革命)によってこれらは『違い』『差違』は小さくなっていく。

その背景にはいくつかある。

(1)仕事が頭で働く仕事にシフトしているから

1)ものの社会からコンテンツ社会へシフト

工場での『モノ』づくりから、頭での『情報』づくりに、産業がシフトしている。『情報』とは、文字、写真、画像、映像、映画、ユーチューブ動画、ゲームなど、消費者おなじみの有料・無料のコンテンツのほか、消費者の買い物行動やスマホやコンピューターの利用データなど収集されているいわゆるビッグデータ、また家電のなかから自動制御される自動車や航空機のなか、例を挙げきれないほど、どこにでも、ありとあらゆるところにあるコンピューターを支えるプログラムなど、みな情報である。

これらの情報は人間の頭で作られている。

2)モノづくりの時代は生んだ正規終身雇用・退職金制度

工場という装置のなかで生産するモノづくりでは、生産機械への熟練が求められる。機械の理解、使いこなす技能、そうした能力を、企業は育成しなければならない。育成の期間や費用を考えれば、長期に安定して働いてもらう仕掛けが必要である。それが正規雇用であり、終身雇用、退職金の制度である。

3)時間労働から成果労働へ

工場労働者を考えてみれば、仕事の結果は時間に比例することがわかる。1時間働けば1時間分の『モノ』が生産される。8時間働けば8時間分の『モノ』が生産される。働いた時間で給与が払われる。

しかし、頭の中で考え、その考えた結果が仕事の結果になる『情報』の生産では、生産された情報量は時間に比例しない。いくら考えてもよい『情報』がつくれない、浮かばないことは多い。また、閃きのように一瞬で作ることもある。

頭で働く時代は、時間で給与が払われない。働いた結果に払われる。

(Jan. 2 2020 つづく)