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DXのテレワークの位置づけ

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テレワークの推進はいつから本格的になってきたのでしょうか。テレワークとつく団体がいくつかあります。私も会長を務めた日本テレワーク学会は1999年に設立されました。また、日本テレワーク協会は2000年1月です。前身の日本サテライトオフィス協会の設立が1991年1月です。またテレワーク推進フォーラムの設立が2005年11月です。

国土交通省は2002年からテレワーク人口調査を実施しています。与党自民党でテレワーク推進特命委員会が2013年から活動を開始、世界最先端IT 国家創造宣言工程表が2016年5月に策定されています。また私が実行委員長を務めるテレワーク玄関は2015年11月からスタートしました。

2000年頃から民間の間で2010年ごろから政府内でテレワーク推進が加速していったと言えそうです。

テレワークはCOVID-19のコロナパンデミックで広く認知されました。政府は企業にテレワークを求めました。導入に苦労した声は多く、いわゆる『ハンコ』文化など企業間・組織間の契約・承認のオンライン化の遅れがテレワーク普及の障害とされました。また、行政の電子化も進んでなく、助成金の申請手続きのオンライン化や給付や納税のフィンテックの推進も指摘されたところです。

ペーパーレス化、オンライン会議などのデジタイゼーションやデジタル商品開発のデジタライゼーションなどを進めても、企業間取引等のデジタル化が進まなければ、テレワークを完結できないことが指摘されたのです。

今、DX(デジタルトランスフォーメーション)が話題です。DXはデジタル化で社会全体をより良いものに変革することを言いますが、社会全体のDXが進まなければテレワークは完結できないと指摘されたのでした。

ただ、大事なことは、国民・ワーカーの生活を豊かにしていく姿勢です。DXの目標であるよりよい社会の実現には、この姿勢が大切だと思います。テレワークはワーカーの生活を豊かにするものです。ワーカーの視点にたってテレワークを推し進めることが、同時に社会のDX化を進めることでもあります。引き続きテレワークの視点・目的を忘れてはいけないはずです。

テレワーク曼陀羅(マンダラ)とDX

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-テレワークは労働・働き方から進めるDX-

テレワークを社会の視点から見るとどのように見えるでしょうか。考えてみたいと思います。

テレワークの普及は、裁量労働制の本格的導入やワーカーのプロフェッショナル化(請負契約)などを進めていくと思われます。また、在宅勤務が進み、二地域居住をはじめるワーカーも増えていきそうです。これらはワーケーションや移住、地方への人材の移動、情報の移転を通じた地域活性化につながっていくことになります。

また一方、サテライトオフィスやコワーキングスペースなどの場で働くワーカーも増えていくでしょうし、こうしたパブリックワークスペースは各地各所に見られるようになります。

パブリックワークプレイスではセレンディピティ(serendipity 偶然的出会いによる発見・気付き)があり、オープンイノベーションが期待できます。フリーランサー・起業家が現れ、企業においても新規事業開発が活性化していくと思われます。

これらテレワークの一般化によって期待される社会的効果を1枚の図にまとめたものが『テレワーク曼陀羅(マンダラ)』です。図の中央に『テレワーク』があります。

テレワーク曼陀羅で右上の方向に目をやれば、育児・介護への効果、リカレント、WLB(ワークライフバランス)の改善、労働の流動化につながります。

左下へ見れば、新型コロナウィルス等のパンデミックや災害発生時の事業の継続、環境負荷削減・SDG’sなどへもテレワークは貢献します。

テレワークは閉塞状況にあると言われる日本の社会経済を新しい次元に推し進める力と効果があると思っています。テレワークを企業が制度化し、ワーカーが活用し、社会が受け入れることが日本を活性化させることになるはずです。

テレワークは労働・働き方から進めるDX(デジタルトランスフォーメーション)です。

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