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ICTと教育 -クラウド化と個人化-

テレワーク

ICTの重要な特徴は2点。クラウド化と個人化である。
この特徴を活かして、義務教育である全国の中学教育を考えてみよう。

まず、クラウド化である。英語でも数学などどの科目でも同じであるが、生徒はまずオンデマンドビデオ講義を見ることになるだろう。上手な先生の話を聞けば理解は早い。わかるまで何度も視聴できることも理解を助ける。効果は大学受験予備校などで実証済みと言える。現場の先生は教えることから解放され、別のことに時間を使うことができるようになる。

ビデオの視聴のあと、生徒は正しく理解ができているかどうか、オンラインの個別学習に進む。オンラインの設問に答えながらAIが生徒一人ひとりの得意不得意の箇所を把握し適切な問題を提示しながら生徒は確実に実力をつけていく。
オンデマンドビデオ講義でこんな授業することができる。

オンデマンドビデオ講義は全国の中学生で同じものを見れば良く、1本のビデオでよいだろう。いろいろな先生の講義を見たいという要望もあるだろうから、数人の先生によるビデオがあればよいだろう。

以上がICTのクラウド化と個人化である。教材はクラウド化され、全国で視聴される。生徒の取り組むオンラインの個別学習は、ICTの個人化である。

習熟度別のクラス分けや飛び級などの賛否が議論されるが、オンラインビデオの視聴とAIの個人学習を組み合わせたこの授業はクラス単位の議論を超えている。1つのクラスに多様な生徒たちがいても習熟度別の授業とどうようにここの生徒の力を伸ばす学習はできる。むしろ多様な生徒たちが1つのクラスにいて、それぞれを認め合うことのできるクラスの方が多様性を認め合う時代にはむしろ相応しく大切であろう。

ICTが推し進める個人化とは、多様性を認めることでもある。

教師は、教えることから解放され、生徒一人ひとりに今まで以上に向き合うことができるようになる。教師は、ひとりひとり濃密・丁寧に生徒に寄り添うメンターとしての役割をになっていく。。十分な時間をかけて一人ひとりの生徒にみることができるようになり、いじめなどの変化にも早く気づくことができるようになる。

教育でも仕事でも、ICT化を設計していくプロセスでは、クラウド化と個人化を組み合わせて、クラウド化するパートと個人化すべきパートを明確にし、教育や仕事の目的を達成するような設計思想が重要である。

テレワークとDX -クラウド化と個人化-

テレワーク

デジタル庁が本日2021/09/01発足した。新型コロナワクチン接種予約や数々の支援金や助成金申請に際して我が国の電子行政、行政のオンランカの遅れが指摘され、本日のデジタル庁の発足につながった。2001年政府はIT国家戦略、e-Japan戦略を策定した。これから20年が経ちさらに本格的に国のICT化が進もうとしている。設置目的は『デジタル社会の形成に関する施策を迅速かつ重点的に推進するため』であり、我が国のデジタル社会化の推進に期待したい。

ICTの推進は大いに期待したいが、デジタル庁が我が国のICT社会をどう描いているのか、気になるところである。ICTの特徴は以下の2点といえる。
1)情報が1カ所(クラウド)に集約されること:クラウド化
2)1対1の通信であること:個人化

情報が1カ所に集約される、つまりクラウド化(クラウドに集約)され、クラウドにある情報・データが共有されアップデートされていく。仕事とは情報を共有し、情報をアップデートすることである。アップデートとは新しい価値が生み出されるプロセスでもある。

ICTはインターネットをベースにしている。インターネットは通信である。放送ではない。したがって、ICTは1対1である。

ICTは個人とクラウドの1対1であり、アップデート作業は個人一人で行われる。アップデートされるコンテンツ(情報)は複数人による協働作業から生まれたものであってもアップデートは個人で行われる。ICTには個人化につながる要素があるのだ。ICTを進めれば個人化が浮き上がってくる。

したがって、デジタルトランスフォーメーション(DX)の流れは、クラウド化と個人化を推し進め、社会・経済・産業・地域をトランスフォームしようとする改革と言えるのである。

DXの一翼を担うテレワークは、これまでの働き方にクラウド化と個人化を進めることになる。今テレワークを推進するにあたり課題になっているのは、企業内情報のクラウド化であり、また1つは個人化するなかでのチームコミュニケーションである。コミュニケーションの課題はテレワーク推進の障壁になっている。

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