DX インターネット社会 テレワーク
不動産業界のデジタル化(デジタイゼーション、デジタライゼーション)とはどのようなものでしょうか。
賃貸物件の仲介では、早くから仲介物件のウェブ化が進んでいました。それまで大家・仲介業者が広告として賃貸専門の雑誌に掲載依頼していた物件情報を、web化する形でデジタル化が進みました。web化された物件情報は賃料、広さ、間取り、最寄り駅、駅までの時間、築年数などさまざまな要素で検索が可能になり、利便性が一挙にアップしました。
今日では賃貸仲介では一般化し、さらに4G化で静止画の物件写真は動画情報に転換しています。実際の内覧に取って代わるレベルまでに達しています。最近では実物を見ずに契約するケースも増えています。
販売物件でもコロナで一挙に進んでいます。賃貸物件と同様に動画による物件情報をWebで伝えています。また販売の場合、高額になるためセールスパーソンは見込み客に個別に自宅から営業しています。特に中古物件の場合は、購入希望者は細部の様子が気になるので、そうした場合セールスパーソンが現地からカメラで映し出し、不安を解消するサービスも展開しています。
このようなテレワークによる自宅からの物件の説明や現地からカメラを使った営業スタイルはまさにテレワークです。こうした努力で不動産業界のテレワーク導入率が上がっているものと思われます。
その他不動産業界では、資産管理など現場からテレワークで直接管理データベースにアクセスし業務を遂行しています。またその結果として直行直帰を実現しています。
いずれにしましても、2021年にどこまで定着していくか注目したいと思います。
2021.09.09
DX インターネット社会 テレワーク
コロナ禍にあって、各業界ともにテレワークの導入が進んでいます。図は、業界ごとのテレワーク導入率を、2019年と2020年と比較しています。企業全体の導入率は、2019年の20%から2020年の47%に急増しています。2.3倍に増加しました。一方半数以上は未導入であることには注意を要します。2020年はコロナ禍であり、政府は企業にテレワークによる業務継続を要請しましたから、これは当然その結果とも言えますが、2.3倍は驚きです。
少し細かく業界別に見てみましょう。2020年に伸びたのは不動産業界です。金融・保険業界を抜いて、情報通信業界に次ぐ第2位にのしあがりました。消費者との間のオンライン化が関係しているとみることもできよう。不動産業界は不動産物件を開発し販売するデベロッパー系不動産会社と自社所有する不動産を賃貸する賃貸系不動産会社、そして賃貸物件を消費者につなぐ仲介系不動産会社に大別できますが、不動産業界はB2Cで、いずれも最終消費者とはオンライン上でつながることのできる業界です。
仲介系は以前からオンラインでPR、マッチングを行っていますが、コロナ禍においてオンラインで内覧できるようにしています。また、デベロッパー系もオンラインで商品である新築マンションや建売物件をオンラインで営業するようになりました。
文字通り動かない不動産商品、リアルで1点ものの不動産商品はオンラインで販売できないと考えがちですが、商品をデジタルコンテンツ化しオンラインで販売できるところまでこぎ着けました。その結果としてテレワーク化が進んだのです。
不動産業界はオンライン化できないという業界の常識を破り、消費者のニーズに追いついたのです。テレワークの導入を進める鍵がここにあります。
小売業界も同様でしょう。小売は対面販売であり、テレワークには向かないと言われつづけています。しかし、商品ひとつひとつが異なる1点ものの不動産ですら、1つ1つデジタルコンテンツ化し、最適な情報に仕立て消費者に販売しています。
消費者はオンラインを志向しており、デパートの撤退、ネットスーパーの隆盛が続いています。小売業は新しいオンラインモデルを構築する必要があります。そしてテレワークで働ける業界に変質してほしいと思います。
2020年はコロナ禍で一斉にテレワークが各業界で導入され、導入率があがりました。利用の状況や2021年の定着がどの程度になるかも注目したいと思います。
2021年度はやや下がることが予想されますが、DXの進捗にあわせて、テレワークは進化しながら定着していくことは間違いないでしょう。
2021.09.08